【バイオ業界の転職市場】主な職種や必要なスキルなども併せて紹介

公開日：2023/11/20

バイオ業界の転職市場について知りたい
バイオ業界の主な職種や必要なスキルを知りたい

本記事は上記のような思いを持たれている方に向けて、バイオ業界の転職市場の状況に加えて、バイオ関連の主な仕事や必要なスキルなどをご紹介します。

最後に、バイオ業界へ転職する前に、事前に考えておくべきことについても触れていますので、ぜひご確認ください。

バイオ業界における転職市場の状況

はじめに、バイオ業界における転職市場の状況を確認しておきましょう。

求職者に対する求人数は少ない傾向

バイオ業界は求職者数に対して求人数が少ない傾向にあります。

実際に厚生労働省の調査では、令和4年度のバイオ技術者の有効求人倍率は「0.89」というデータが出ているのです（1）。

売り手市場の傾向にある他業界と比べ、バイオ業界は買い手市場となっており、転職の難易度としては比較的高いと言えるでしょう。

求める人材のハードルが高くなっている

バイオ業界の転職市場の特徴として、求める人材のハードルが高い点が挙げられます。

バイオ業界は医療や食料、環境といった幅広い分野の企業で構成されており、分野ごとに求められるスキルや専門知識が異なります。

そのため、各分野においてピンポイントのスキルや知識を持った人材を募集している傾向があり、全くの未経験者が転職するのは現実的ではありません。

また、バイオ業界での経験があったとしても、他分野（例えば医療から環境など）への転職はスキルや知識の違いにより、難しいケースもあると言えるでしょう。

市場規模は年々拡大している

バイオ業界の市場規模は年々拡大しています。

上記のグラフは、経済産業省の産業構造審議会が2021年に発表した資料から引用したものです（2）。

ご覧いただいたとおり、年々市場規模が拡大しており、将来的にも大きくなることが予測されています。

市場規模が拡大するにつれて、必要な人材も増えることが想定されるため、人材ニーズ自体も高まっていくことが期待できるでしょう。

ベンチャー企業も多い

バイオ業界は大手企業だけでなく、ベンチャー企業も比較的多いという特徴があります。

大手企業には整った労働環境や手厚い福利厚生があるため、安定を求める場合は、大手企業への転職をおすすめします。

一方で、組織作りなども含めて企業と一緒に成長したい場合などは、ベンチャー企業を選ぶというのも一つの選択肢と言えるでしょう。

バイオ業界における主な職種と求められるスキル

続いて、バイオ業界における主な職種と求められるスキルについて解説していきます。

バイオ業界の主な職種

バイオ業界は大きく4つの分野に分かれているため、各分野における主な業務内容を簡単にご紹介します（1）。

医療・ヘルスケア分野

・以下の医療などに関わるバイオ医薬品の研究開発
　・核酸医療
　・細胞医療
　・再生医療
　・遺伝子医療
・iPS細胞やES細胞を用いた再生医療技術の開発
・遺伝子を用いた診断技術開発

食料・農林水産分野

・作物の品種改良
・畜産や養殖の生産性向上のための技術開発
・機能性食品やバイオ食品の開発

バイオケミカル分野

・医薬品の原料や農薬の開発
・機能性食品や化粧品素材などの製造技術開発
・バイオミメティクス

環境・エネルギー分野

・環境負荷の低い製品の開発
・バイオリアクターや汚水処理技術の開発
・バイオマスエネルギーの開発

上記のとおり、バイオ業界においては基礎研究などを行う研究職と、基礎研究を基に技術や製品を開発する技術職の2職種が中心となります。

そのほか、営業や企画といった研究・技術職以外の職種に対するニーズも当然あり、上記のような職種よりも比較的転職しやすいと言えるでしょう。

求められるスキル

バイオ業界、特に研究や開発に携わる場合は、専門的なスキルや経験が求められます。
分野別に必要となる主なスキルを以下にまとめますので、ご参照ください。

【共通で求められるスキル】

思考の柔軟性
課題認識力
課題設定力
論理的思考力
英語力
手先の器用さ

【医療・ヘルスケア分野で求められるスキル】

化学や生物工学に関する知見
薬理学や毒性学の知見
臨床統計学や医療現場での実務経験

【食料・農林水産分野で求められるスキル】

発酵や醸造に関する知見や経験
臨床試験デザインや生物統計の知識

【バイオケミカル分野で求められるスキル】

化学や生物工学に関する知見
遺伝子工学に関する知見
発酵などに関する知見

【環境・エネルギー分野で求められるスキル】

応用化学や機械工学などの知見
遺伝子工学などの知見

営業や企画といった職種の場合は、上記のような化学や工学などの知識が必須として求められることはありませんが、その分該当職種における幅広い経験や実績が求められる傾向があります。

バイオ業界への転職に役立つ資格とは

バイオ業界へ転職する際に役立つ資格として、バイオ技術者認定資格や技術士（生物工学部門）が挙げられます。

バイオ技術者認定資格は、NPO法人日本バイオ技術教育学会が開催している認定試験であり、バイオテクノロジーの専門資格となっています。

生物工学部門の技術士は文部科学省管轄の国家資格です。

それぞれバイオテクノロジーの幅広い知識や業務実行力などを測る資格であるため、保有していれば転職時に有利に働くことが期待できます。

バイオ業界へ転職する前に考えておくべきこと

最後にバイオ業界に転職する前に考えておくべき点についてご紹介します。

転職で成し遂げたいことは何か

考えておくべきこととして、まず挙げられるのは転職で成し遂げたいことは何かという点です。

転職へと踏み切る前に、なぜ転職を考えているのか、何を成し遂げたいと考えて転職するのかといった点を、自分の中で明確にしておくべきでしょう。

年収を高めたいのか、それとも大きなチャレンジをしたいのか、といったように自問することで、転職において自分が重視する軸を確立しておくことをおすすめします。

やりたいことは現在の職場で実現できないか

やりたいことを現在の職場で実現できないか、という点を考えることも必要です。

転職するには企業情報のリサーチや自己分析、履歴書の作成といったように、さまざまな労力がかかります。

また、転職で年収が下がってしまったり、生活のリズムが変わったりすることも往々にしてあるでしょう。

そのため、転職を考える前に、今の職場で自分のやりたいことや成し遂げたいことは本当に実現できないのかを、今一度考えてみることも重要になるのです。

考えた結果、今の企業でも実現できる可能性があるのであれば、まずはその可能性の方にチャレンジしてみる方がリスクは低いと言えるでしょう。

自分のスキルや経験とマッチしているか

自分のスキルや経験と、バイオ企業が求めているスキルがマッチしているかを確かめることも重要になります。

先ほど解説したように、バイオ業界の求人はピンポイントのスキルや経験を求めている傾向が強く、別の経験やスキルを持った人がポテンシャル枠のような形で転職することは難しいのです。

そのため、バイオ企業の求人情報はしっかりと読み込み、自分でもチャレンジできるのかどうかを見極める必要があるでしょう。

まとめ

今回はバイオ業界における転職市場の状況を解説してきましたが、いかがでしたか。

バイオ業界は先端技術が集まる業界であり、今後も成長が見込まれています。

また、バイオ業界には大手企業だけでなくベンチャー企業も多く参入しているため、安定よりチャレンジを求めたいという方にも、おすすめの業界と言えるでしょう。

当社はバイオ業界の中でも医療・ヘルスケア分野を中心に、転職活動を支援させていただくサービスを展開しております。

もしバイオ業界などへの転職にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

【参照元】
（1）出典：バイオテクノロジー技術者 - 職業詳細　厚生労働省
（2）出典：バイオテクノロジーが拓く『第五次産業革命』　産業構造審議会商務流通情報分科会　バイオ小委員会

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